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東京地方裁判所 昭和43年(特わ)888号 判決 1969年2月25日

本店所在地

東京都台東区下谷一丁目四番一二号

合名会社

落合商店

(代表社員)落合次郎

本籍

群馬県桐生市菱町上菱五〇二番地

住居

東京都台東区下谷一丁目四番一二号

会社役員

落合次郎

大正四年七月五日生

右の者らに対する法人税法違反被告事件につき当裁判所は検察官板山隆重出席の上審理して次のとおり判決する。

主文

被告会社を罰金一、〇〇〇円に、被告人落合次郎を懲役六月に、各処する。被告人落合次郎に対し、に対し、この裁判確定の日から二年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告会社合名会社落合商店は、東京都台東区北上野一丁目一三番四号(ただし、昭和四二年四月二二日同区下谷一丁目四番一二号に移転)に本店を置き、動力伝導装置に要する一切の機械器具の版売等を目的とする出資額三、五〇〇万円(昭和二二年一〇月二五日設立当時一九万円であつたが、その後順次増資し同三八年一二月六日二、〇〇〇万円、同四一年四月三〇日現在額とした)の合名会社であり、被告人落合次郎は右会社の代表社員として同会社の業務全般を統轄していたものであるが、被告人落合は、被告会社の業務に関し法人税を免れようとして企て、売上の一部を除外し、あるいは架空仕入を計上して簿外預金を蓄積する等の不正な方法により所得を秘匿したうえ

第一、 昭和三九年一〇月一日より同四〇年九月三〇日までの事業年度における同会社の実際所得金額が八一、一九二、九四七円あつたのにかかわらず、昭和四〇年一一月二九日同都台東区東上野五丁目五番一五号所在の所轄下谷税務署において、同税務署長に対し、所得金額が三三、七六八、八六五円で、これに対する法人税額が一二、〇四三、八九〇円である旨の虚偽の法人税額確定申告書を提出し、もつて同会社の右事業年度の正規の法人税額二九、五八八、二一〇円と右申告税額との差額一七、五四四、三二〇円を法定の納付期限までに納付せず、もつて同額の法人税免れ、

第二、 昭和四〇年一〇月一日より同四一年九月三〇日までの事業年度における同会社の実際所得金額が一三七、六〇一、九九一円あつたのにかかわらず、昭和四一年一一月二九日前記下谷税務署において、同税務署長に対し、所得金額が七三、〇二五、八八七円で、これに対する法人税額が二五、七四七、八八〇円である旨の虚偽の法人税額確定申告書を提出し、もつて同会社の右事業年度の正規の法人税額四八、九九三、五九〇円と右申告税額との差額二三、二四五、七一〇円を法定の納付期限までに納付せず、もつて同額の法人税を免れたものである。(判示各事業年度における所得の計算は、別紙第一、第二の修正損益計算書記載のとおりである。)

(証拠の標目)

全事実につき

一、 被告人の当公判廷における供述

一、 被告人の大蔵事務官に対する質問てん末書三通および検察官に対する供述調書五通

一、 被告人の上申書

一、 被告会社に関する登記簿謄本

一、 大蔵事務官野中温作成の

1. 銀行調査書三通

2. 割引手形の調査書

3. 調査表(落合商店、新光鋳工所の増資払込について)

一、 大蔵事落官藤田清次作成の

1. 普通預金入金内容調査書四通

2. 除外手形のうち裏書譲渡手形の調査書

3. 電話聴取調査書

4. 申告所得税、住民税等納付額調査書

5. 税額計算書三通

一、 第一銀行四条支店の残高証明書

一、 第一銀行平井支店長の残高証明書二通

一、 第一銀行の川口支店長の残高証明書五通

一、 第一銀行浅草支店長の残高証明書五通

一、 第一銀行三ノ輪支店長の残高証明書五通、証明書二通

一、 光信用金庫台東支店長の残高証明書四通、証明書一通

一、 光信用金庫浅草橋支店長の残高証明書一通

一、 光信用金庫足立支店長の残高証明書四通

一、 千代田信用組合本店長の残高証明書四通、証明書一通

一、 日本信託銀行浅草支店の証明書

一、 平和相互銀行板橋支店長の証明書

一、 武士英一郎の大蔵事務官に対する質問てん末書

一、 石井国治の大蔵事務官に対する質問てん末書

一、 風晴兼治の検察官に対する供述調書二通

一、 中里弘の検察官に対する供述調書

一、 徳升康の検察官に対する供述調書

一、 平石績の検察官に対する供述調書

一、 決算報告書三冊(当庁昭和四四年押第四九号の3の1ないし3)

一、 法人税確定申告書二冊(前同押号の25・26)

(法令の適用)

各事実につき法人税法(昭和四〇年法律第三四号)一五九条一項、被告会社につきさらに同法一六四条一項併合罪加重の点は、被告会社につき刑法四五条前段四八条二項、被告人につき(各懲役刑選択)同法四五条前段、四七条本文、一〇条。刑の執行猶予につき同法二五条一項。

よつて主文のとおり判決する。

(裁判官 小島建彦)

別紙第二

修正損益計算書

合名会社 落合商店

自 昭和40年10月1日

至 昭和41年9月30日

<省略>

<省略>

別紙第一

修正損益計算書

合名会社 落合商店

自 昭和39年10月1日

至 昭和40年9月30日

<省略>

<省略>

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